阪急百貨店 WEB CATALOG 阪神百貨店 WEB CATALOG

  • SEARCH

with LOCAL | インタビュー vol.02

京都 高台寺の
素敵な工房にお邪魔しました。

起源は、平安時代まで遡るといわれている京金網。
伝統技術を生かしながら現代の生活に溶け込む金網製品を作る
「金網つじ」二代目の辻 徹(つじ とおる)さんに、
辻さんのモノづくりの思いをお伺いしました。

二代目 辻徹

PROFILE

「金網つじ」 二代目 辻 徹(つじ とおる)さん

家業を継いで21年。
いろんな方の声を道具作りに活かし、日々邁進中。

伝統技術を生かしながら現代の生活に溶け込む金網製品を作る「金網つじ」二代目の辻 徹(つじ とおる)さん。 前回vol.1では、辻さんが二代目を継ぐに至った決心と、モノづくりへの熱い思いをお伺いしました。 今回のvol.2では、金網つじの魅力更に深堀りしてお伺いします。 

vol.1 はこちらから



~「金網つじ」vol.2~

≫ 辻さんが「使う道具」のモノづくりをされている中で、大事にされていることはありますか。

辻さん:身近な人の、聞きたくない意見を聞くことです。例えば八角形の盛網。今は底の足の部分にシリコンのチューブが付いているので配膳する際にも少々斜めにしても落ちませんが、以前はステンレスのままだったので、載せた食材の重みで少しでもぐらついたらお皿からスルンと落ちてしまい「そんな不安定なものは使いづらい」との声がありました。改善すると今では「すごく便利」と喜んでいただけるようになって。実は我が家では、天ぷらや唐揚げ、蕎麦、刺身、鍋の具材など多くのメニューにこの盛網を使い、一年を通して一番愛用しています。
形にも注目していただきたいのですが、少し高さを出すことによって水分や油を切るという機能的な部分をカバーするだけでなく、使う人の気持ちを考えています。例えば鍋をするときにどうしてもカセットコンロの上に鍋を置き目線が上がってしまうので、鍋の具材をいくらお皿に綺麗に盛り付けても、パッとしない…でもそうしたときにこの他のお皿よりも一段高くなっていると、鍋と具材が載ったお皿両方に「今日のメイン料理」として自然と目がいきます。他にも天ぷらやから揚げでも、今は懐紙を置かずに直接盛網に置くことで全体に空気が通り、衣がサクサクのまま召し上がっていただけます。便利はもちろん、そういった使ってくださる人の料理がワンランクアップするような「使う道具」のモノづくりを大事にしています。


≫ 辻さんの今のおすすめ商品と、込められた想いを教えてください。

辻さん:急須を使わずに手軽にお茶を楽しんでいただける「CIRCLE TEA INFUSER」です。カップに茶こしをのせて茶葉を入れてお湯をそそぐだけで、1杯分のお茶をさっと簡単に淹れることができます。また、茶葉にお湯を注いだ後、数十秒待っていただくことで、良い香りとともに旨味や甘味が溶け出しながら、小さくなっていた茶葉が花開くようにゆっくりと広がっていく様子を眺められ、日本茶だけでなく、紅茶、ハーブティー、中国茶もお楽しみいただけます。

辻さん:この商品は「simple」がコンセプトで、決して「easy」ではないんです。「伝統工芸品=使い慣れた人が使う道具」というイメージを変えたくて、きちんとした日本人の作法・マナーや日本文化を知っているということではなく、むしろ全く知らない状態から、手軽でおいしいものが飲める、それが入口になって、もっといろんなお茶を楽しみたいとかもっといろんな淹れ方のお茶を飲んでみたいと感じていただきたい。
この商品に代表されるように、私自身「未来工芸」と呼んでいますが単なる伝統工芸品でない、心豊かな生活を叶えてくれる日々に取り入れられる「使う道具」をこれからも作り続けていきたいと思っています。

※この商品は一点一点手作りのため、ただいま欠品しております。
11月下旬入荷予定でございます。ご了承くださいませ。



戻る