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やまなみ工房

阪急うめだ本店


スイス『アートブリュットコレクション』やフランス『ABCDコレクション』などに作品が収録され、
いま世界のアートシーンから注目を集めている滋賀県甲賀市の福祉施設「やまなみ工房」。
彼らの自由で独創的なアート作品を展示販売致します。

Atelier Yamanami
EXHIBITION by PR-y

阪急うめだ本店5F コトコトステージ51
9月9日(土) ~ 10月3日(火)

01_岩瀬 俊一
IWASE SHUNICHI

1973生まれ 滋賀県在住 2008年から『やまなみ工房』に所属
ペンを用いて人物や動物等、モチーフが決まると彼独自の視点で余白を余すことなく、紙面全てにゆっくりと描きこんでいく。彼の内向的で真面目な性格が作品にも反映され描く線の一つひとつがとても丁寧で、まるで細い糸が絡み合っているかのように繊細に描かれる。日常では、ほとんど言葉も発することなく意見を求めても、顔を赤らめながら、か細い声で一言口にする程度しかない彼の作品からは、内に秘めた思い全てが放出され、訴えかける力強さに満ち溢れている。彼もまた自己を表現する術を作品制作に見出した1人であり、これからも彼の世界観は大きく広がっていくだろう。

02_KATSU
KATSU

1987年生まれ 滋賀県在住 2014年から『やまなみ工房』に所属
彼は立体造形と絵画を主として、その時々気の向くままに同時進行で制作に取り組んでいく。立体作品では、ボール紙やテープを用いてロボットや戦艦、戦闘機を作り、ドアの開閉扉や可動域等、ギミックを用いて完成度を高め、細部にまでこだわり緻密に再現していく。絵画で描くものは城や塔等、建造物が中心で、マーカーを使用し下部から交差する細かな線を上へと積み上げていく。まるで建物が構築されてゆく様を見ているかのようだ。平面でありながら奥行を感じる絵は、彼独自の遠近法で計算され描かれたものである。

03_河合 由美子
KAWAI YUMIKO

1979年生まれ 滋賀県在住 1997年から『やまなみ工房』に所属
彼女の刺繍は「まる」で構成されている。布に円を描きおおよその数と配置を定めると、針を通し、出発地点から斜めに返る独特の縫い方で輪郭をかたどっていく。複数の「まる」は同時進行で進められるが、縫い込みの多さはそれぞれ異なり、一枚の中にも多様な表情を持つ「まる」が生まれる。何層にも円を描き縫い重ねるうち、力によって収縮され平面だった「まる」は山のように隆起し、立体感と重厚感のある作品に仕上がる。

04_栗田 淳一
KURITA JUNICHI

1988年生まれ 滋賀県在住 2015年から『やまなみ工房』に所属
2006年、大阪芸術大学陶芸コースに入学、翌年に躁鬱病を発症し2009年に退学、その後フィギュアの製作に取り組み2012年には専門学校に入学するも病状の悪化に伴い再び退学となる。焦燥感や恐怖感、周囲への嫉妬心に苛まれながら、それでも何かを創作というものをしたいという無意識の感情が、今の創作活動へ自然と流れ着いた。2014年1月頃より絵画を中心に作品制作を始める。モチーフは全て目に見えるものではなく自分の心の中、病気の症状についてのイメージを元にした作品も多く制作する。使用する画材はペンや筆、気持ちの赴くまま流れのままに描かれる絵は濃密で繊細な線や模様が幾重にも写し出され、彼の内から湧き出る感情がリアルに表現されている。

05_宮下 幸士
MIYASHITA YUKIO

1973年生まれ 滋賀県在住 1997年から『やまなみ工房』に所属
電卓にスケジュール帳、プロ野球のスコアブックに支援員の出勤状況、送迎バスの運行管理まで常にデータ管理が日課の彼は、作品制作においてもその几帳面な性格が表れている。絵画では、モチーフを描いた後、数ミリ間隔の升目を画面いっぱいにブロックごとに描き、一つひとつゆっくり丁寧に塗りこんでゆく手法を用いる。大きなものでは制作期間に1年を要することもある。また、英字新聞の文字を書き写した作品も、一文字づつ形で捉え書き連ねていく。これらは、創作という行為よりは作業と呼ぶ方が彼には適切なのかもしれない。真面目で、作業にも日々熱心に取り組む彼の仕事は、まさに職人というべき仕事なのだろう。

06_森 雅樹
MORI MASAKI

1969年生まれ 滋賀県在住 2016年から『やまなみ工房』に所属
現名古屋デザイナー学院にて、グラフィックデザインを学ぶ過程で、ジョン・ケージの手になるコンサートに出席し、アメリカ実験音楽に興味をもつ様になる。その後、音響空間の可視化を目指し、現在進行形のドローイング作品としては、アンダーグラウンド/サイケデリック・ロックのもつ空間の拡がりを元にした「地歌」シリーズ。ジョン・ゾーン等のポスト・モダン音楽のブロック化した音像を表した「ギグ」シリーズ等がある。その、ハンス・ベルメールから宮西計三を思わせる神経質な線によるドローイングは、長い闘病生活による存在不安の亀裂をも表出している。

07_森田 郷士
MORITA SATOSHI

1978年生まれ 滋賀県在住 1997年から『やまなみ工房』に所属
画集や図鑑から描くものを探し出し、構成を考えながら鉛筆で下描きをすると、その後は黒のボールペンでたくさんの点と線を使いモチーフを塗り込んでいく。その手の動きには迷いがなく、衝動的に描いている様にも見えるが、単調にならぬ様場所によって描き込みの密度に変化をつけており、緻密な点と線は重なり合い陰影を作りながら構成されていく。モチーフの中で影のように蠢く黒い点と線は平面的でありながら、今にも動き出しそうである。

08_NANA
NANA

1996年生まれ 滋賀県在住 2015年からやまなみ工房に所属
小さいころから絵を描くことが大好きだった彼女は、今でも休日には自分の落ち着く空間で時間をわすれるほど大好きなアニメのキャラクター等、たくさんの絵を描いて過ごしている。 やまなみに通所してからは立体造形や刺繍等創作活動の幅も広がり、最近では細かく切ったフェルトを使用し彼女のなかで描く世界感から立体の作品をつくりあげている。誰かに見てもらい作品を褒めてもらう、周囲の評価や感想は彼女にとってやりがいにもつながっている。無我夢中に好きなことを好きなだけやる彼女の姿が何よりも誇らしく思える。

09_中川 ももこ
NAKAGAWA MOMOKO

1996年生まれ 滋賀県在住 2015年から『やまなみ工房』に所属
「ももこ」。自分の名前を、何度も何度も繰り返し書き綴る。幾重にも書き重ねられた文字の線は、絡み合いながら文字の原型を留める事なく、まるで絵画のような作品へと変化を遂げる。活動当初は刺繍の作業に取り組みいくつかの作品を制作する。もともと行う彼女の反復行為を活かし、無理なく集中して活動に取り組めることを目的に刺繍制作を行うようになるが、次第に興味は文字を書くことへ移行していった。使用する画材はカラーマーカーペンやペン等様々で、道具へのこだわりはほとんどなく、ただ書き重ね変化していく文字や筆の音、手に伝わる感触を楽しむかのように、止むことなく描き続けていく。

10_中尾 涼
NAKAO RYO

1998年生まれ 滋賀県在住 2017年から『やまなみ工房』に所属
元々は紙を切って大好きな扇風機のプロペラ作っては眺めることが好きだった彼だが、職員の書く字を真似たり、窓に指で文字をなぞる様子から、絵画に取り組むきっかけとなった。英字の他数字の作品も多く、描くときは、一切の迷いや躊躇は無く、あっという間に描き終え、勢いや力強さが英字や数字の書体にも表れている。文字は色を変えて筆やペン、時には指を用いて何度も上からなぞることが多く、より作品に深みをもたらしている。最近は文字だけでなく、人物や自分の好きなものを絵にされる作品も生まれ、クールな作風と合わせて彼独特の感性が作品にも反映されている。

11_大路 裕也
OJI HIROYA

1987年生まれ 三重県在住 2009年から『やまなみ工房』に所属
音楽が流れるとリズムに合わせエアギターをかき鳴らし熱唱、車両が後退する際はオーバーアクションで誘導、休憩時には煙草を吸う仕草を真似て一服と、常に周囲を意識し自分自身を演出している彼の自己アピールの一つに作品制作がある。モチーフは人物や動物等、様々で雑誌や画集を見てそれを模写する。腕を組み、角度を変え構図を考える様も、一つ一つ丁寧に色を塗り重ねる筆使いもすべては彼の演出、彼の美学なのである。その美学から生まれる作品たちは、彼も予想がつかない全く別の色や形へと変化していく。

12_岡元 俊雄
OKAMOTO TOSHIO

1978年生まれ 滋賀県在住 1996年から『やまなみ工房』に所属
トラックが大好きな彼が、ある時からドライブ中に見た車を絵や陶土で表現するようになった。現在ではトラックに限らず、人物や風景画等、雑誌や画集をモチーフに墨汁と割り箸1本のみを使用して次々に作品を生み出してゆく。モチーフ全体を見ながら素早く筆を走らせ全体像を描き上げると、描いた線上を流れに添って何度も何度も塗り重ねる。飛び散った墨汁の滴や擦れ合わさった線が絵に躍動感をあたえていく。いつも、ひとりお気に入りの音楽を聴きながら、寝転がり肩肘付いて描く様が、彼のスタイルである。

13_清水 千秋
SHIMIZU CHIAKI

1967年生まれ 滋賀県在住 1987年から『やまなみ工房』に所属
彼女が選ぶ刺繍のモチーフは画集から雑誌のグラビアまで幅広い。気に入った題材をもとに布地に下絵を起こすと、目の揃ったチェーンステッチで輪郭を縁取り、色を塗るかのように刺繍糸で縫い込む。選ぶ刺繍糸は鮮やかな色合いが多く、同じ系統の色でも濃淡をつけることで独特の色彩が目を引く作品となる。どんな名画や美しいモデルをモチーフとしても、いつの間にかテレビの中の人物や本人の身近な物事が表題とされる。緻密な作品と風変りなタイトルとの差が、作品の魅力を更に引き立てている。
近年、年齢を重ねるとともに針を持つことが困難になり、その先に新しく絵画に出会った。

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