伊藤 咲穂
伊藤咲穂/Sakuho Ito
1989.08.19 島根県浜田市弥栄町 誕生
2005 広島県 呉工業高等専門学校 建築学科入学
2014 東京都 武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科 テキスタイル専攻 卒業
2014 東京都、山梨県、島根県を拠点に国内外で活動
伊藤咲穂は、幼少期の体験からくる静けさを元に、独自の漉き方でつくる錆和紙(Sabiwashi)や、絵具、岩絵具、墨、などを用い平面、立体、インスタレーション作品等を国内外で発表しています。
2019年には海外で初となる個展を旭化成株式会社協賛のもとNYのチェルシーにて開催しました。
持続可能な社会が世界的にも求められる現代において、伊藤咲穂の作品は「錆びていくこと」「老いていくこと」「土へ還っていくこと」を表現し、民族性に由来する情緒や、自然環境と人々の共存について問いかけています。
古典を軸に生まれた独自の素材「錆和紙(SabiWashi)」は彼女の作品の主材として多く使われるものの一つです。
錆和紙を漉くために使用する砂鉄は、彼女の地元島根県の河川や海で自ら採取し、原料となる楮(コウゾ)は、石見地方で育てられたものを使用するなど、素材との繋がりを大切にしています。
また、絵の具や顔彩、岩絵の具を用いて描く、時間の経過に比例する美や汚染をテーマとした作品のシリーズは、自然というものの捉え方を違った視点で鑑賞者に投げかけます。
幼少の頃、自然豊かな里山で樹木の葉が枯れ、分解され、土へと還ってゆく現象を見て興奮した原体験からくる、静けさを軸にした自然真理の探求、若齢期にかけての人間と社会、自身と社会をテーマに表現されるもの、それら二つの統合と拡張を試み、表現することによってDNAに組み込まれた答えを探り、アートの立場から人の営みを問い、そのあり方を探ります。